連載 多文化社会NIPPONの医療・11
日本人でも対応が難しいものは,外国人だともっと難しい
堀 成美
1,2
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
2国立国際医療研究センター国際診療部
pp.658-659
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210776
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今回取り上げるのは,日本語で対応しても難しいメンタルヘルスの話題である.手術をして経過をみて退院というクリニカルパスに記載されるような,あるいは手技を覚えて血糖測定とインスリン注射といった一定のルールやパターン認知で管理ができる健康問題と全く異なる超難問といっていい.
丁寧な問診から始まる会話において,日本語と母国語で微妙に異なるニュアンスや文化・習慣への配慮など,慣れた通訳でないと対応が難しいこともある.そもそも,英語以外の言語となれば医療通訳の確保が必須だが,仮に見つかったとして,一般診療より長くボリュームも大きなやりとりを依頼したら一体どれくらいの費用がかかるのか.それは全て医療機関が負担するべきなのかといった問題も生じる.
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