マイオピニオン
大学皮膚科で研究・教育と臨床を両立することの難しさ・楽しさ
浅井 純
1
Jun ASAI
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.10-11
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205288
- 有料閲覧
- 文献概要
1. 大学病院の役割
大学病院は一般の病院とは異なる役割がある.それは診療行為を行うことだけでなく,将来の医師を育てる教育の場としての役割や,将来の医学の発展に貢献するような研究を行う場としての役割である.診療についても,患者さんの多くは診療所や一般病院での検査や治療が困難な,より高度な医療を必要とする状態であり,その地域の医療の「最後の砦」としての役割が求めらる.そして私が勤務する京都府立医科大学では,さらに京都府全域の地域医療を支える役割が求められ,大学に所属する医師を医師の不足している地域へ週1〜2回派遣している.片道数時間かかるような地域もある.大学病院に勤務している医師は,大学病院で重症の患者を診ながら地域の病院にも診察の応援にいく.そしてその上に教育・研究というさらなる役割が重なってくる.当然これだけの仕事をこなすにはかなりのマンパワーが必要となる.しかしながら実際は十分なマンパワーが足りているとは言えず,現場は多くの議論すべき課題を抱えている.本稿では,大学で臨床と研究・教育を両立することの魅力・難しさ・今後の課題などについて私なりの考え,意見を述べたいと思う.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.