Japanese
English
特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[摂食障害の治療]
自閉スペクトラム症を併存する摂食障害(摂食症)
Patients with eating disorders based on autism spectrum disorder
小坂 浩隆
1
,
幅田 加以瑛
1
,
眞田 陸
1
Hirotaka Kosaka
1
,
Kaie Habata
1
,
Riku Sanada
1
1福井大学医学系部門病態制御医学講座精神医学
1Department of Neuropsychiatry, University of Fukui, Fukui, Japan
キーワード:
摂食症/摂食障害
,
eating disorder
,
自閉スペクトラム症特性
,
autistic traits
,
口腔内感覚
,
oral sensory sensitivity
,
カモフラージュ
,
social camouflaging
Keyword:
摂食症/摂食障害
,
eating disorder
,
自閉スペクトラム症特性
,
autistic traits
,
口腔内感覚
,
oral sensory sensitivity
,
カモフラージュ
,
social camouflaging
pp.1271-1277
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207078
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
自閉スペクトラム症(ASD)と摂食障害(摂食症),異なる障害に思われるが,併発していることが意外にも多い。共通点としては,対人関係の不安定さ,食べ物,体重や運動へのこだわり,口腔内感覚の過敏さからの食物選択性,拒食,食物新奇性恐怖症などがあり,生後すぐからそれらの傾向は認められる。一方で,ASD特性が強い青年期女性は,本来の自分と違うキャラクターを演じるカモフラージュを行うことも多く,医療者がASDの存在に気づけないことも多い。標準的な治療に抵抗性がある摂食症者のなかに,ASDを併発している方が多く,ASD特性を評価して,それを考慮した摂食障害の治療計画をするべきと考えられる。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.