特別記事
—自閉症スペクトラムの特性が強い患者さんへの看護【前編】—自閉症スペクトラムである可能性に気づけば看護が変わり、患者さんが変わる
山下 隆之
1
1医療法人資生会八事病院
pp.45-54
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200571
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これからの看護と患者さんのために
自閉症スペクトラム。それは自閉症やアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などを含む疾患概念である。これらの疾患に境界線を引くのは難しく、連続していることを「スペクトラム」という言葉は表している。
自閉症スペクトラムに該当する人はけっこう私たちの身近に存在しており、人口の1〜2%はいると言われている。本人の特性に対して周囲が理解を示しているならば、「ちょっと変わった人」と思われつつも、日常生活を送ることは十分可能だが、本人の特性に理解を示せない環境では、人間関係に支障を来してしまうことがある。そして本人あるいは周囲の人がその人間関係にギブアップした時、精神科病院へ入院、という選択をしてこられることがある。
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