連載 間の間・1【新連載】
遊びをせんとや生れけむ—「なんかさぁ、つまんなくない?」「あーつまんない」
伊藤 亜紗
1
1東京工業大学リベラルアーツ研究教育院
pp.313
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200493
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週末になると、小学3年生になった息子の友達が家に遊びにくる。カードゲームをしたり、現代版ベイゴマみたいなオモチャで対戦したり、ボールを追いかけ回したりしているのだが、それなりの頻度で、いかにいま自分がつまらないか、という意思表示をしている。一丁前にため息をついたり、床にひっくり返って大の字になったり。それはそれはつまらなそうである。
ああ、わかるわかる、と彼らを見ていて思い出す。そう、遊びにはうまく行くときと、うまく行かないときがあるのである。ただババ抜きをすれば、鬼ごっこをすれば、遊びになるという訳ではない。何かの遊びを「する」ことと、実際に「遊べている」ことは、全くの別物なのだ。
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