実践報告
「ストレングス・マッピングシート」を用いて話を聞いて—“希望”に立ち返って考えるということ
山原 隆美
1
,
栁井 亮太
1
1医療法人社団更正会草津病院
pp.272-276
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200362
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これだ!という直観
A氏(男性、30代、うつ病)には入院当日に挨拶をした。緊張しているのか、うつむいたままで「よろしくお願いします」とだけ話す。その表情と弱々しい言葉から、A氏の自信のなさを感じた。
A氏はもともと内気で真面目な性格。手先が不器用なところもあったという。大学卒業後、介護職や事務職、引っ越しのアルバイトをしたが、職場に馴染めずトラブルもあって、いずれも短期で退職し職を転々としている。その後、倦怠感や意欲低下があり、自宅に引きこもるようになった。将来への不安もあるので就職したいが、過去の体験からうまくいく気がしない。焦燥感とうつにより、B病院を受診し、入院の運びとなった。
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