特集 問題解決志向に疲れたら……
当事者に聴く姿勢を伝える─ストレングス・マッピングシートを活用した演習
萱間 真美
1
1聖路加国際大学大学院 看護学研究科
pp.280-284
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200957
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
「ストレングスモデルは,患者さんの強みにも目を向ける」。この一文に,すでに看護師の価値観が反映されている。この文はこうも読める。「患者さんとは病気をもっている人で,弱い存在です。でも強みもあるのだから見つけてあげましょう。」
しかし私たち自身が病気をもったとき,こう考えるだろう。「私は私で変わらないが,今は病気の状態で誰かの力を借りたいだけ。病気になっても,患者さんという名前の,医療関係者や看護学生に何もかも委ねる存在に変わるわけではない」。
ストレングスモデルを教えることは,「患者さんは弱い。保護してあげなくては何もできない」という前提をやめようとすることだ。そして「私たちは患者さんのことをよく知らない。だから教えていただかないとわからない」という自然な姿勢を伝えることでもある。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.