増刊号特集 1.博士論文を書くということ─あのときの問いといまの問い
臨床経験からの問いに立ち返り,社会への還元を考え続けること
三浦 英恵
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.334-338
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100928
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はじめに
高校卒業後は看護系ではない大学に進学し,その後,看護師をめざした自分が大学院に入学し,現在は,教育・研究者となっているとは全く予想もしていなかった。いまようやく,研究者としてのスタートラインに立っていることを実感する中,今回,このようなお話をいただき,いままでの自分の経験を振り返るよい機会となった。私の個人的な経験ではあるが,これから博士論文を書こうとしている皆様に少しでもお役に立てれば大変嬉しく思う。
博士論文を書くというプロセスは,自分とは何か,自分には何ができるのかを問い続けながら,臨床経験の疑問を解決する過程であり,研究者としての重要な基盤となる経験であった。振り返ると,博士論文に向かう原動力や課題は,臨床経験の中で出会った,そして研究に協力してくださった患者さん1人ひとりからいただいていたように思う。
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