特集 打つ手なしの行きづまり事例が、当事者研究で変化する
—実践報告3—支援者モードが薄まり、病気を共に乗り越える協力者の関係へ—ストーリーに意味が見出せれば対応できる、という楽観が生まれた
星川 亜未
1
1医療法人北仁会旭山病院
pp.214-221
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200352
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当事者が回復するためには“自助”の力を育てることが必要—この点に反対する精神科医療者はいません。しかし実際の精神科医療は、薬物療法によるアプローチが中心になりがちです。そして当事者が体調への不安や生活のしづらさを話せば、医療者が中心になってあわてて解決策を出してしまったり、当事者のニーズについても多くの場合、家族や専門家が本人に代わって見立ててしまったりします。
これはおかしい……。“自助”の力を付けるには、当事者が自分で考え、悩み、選択し、体験していく場面をどんどん作る必要があるのではないか……。そんなことを考えていた時に出会ったのが当事者研究です。
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