特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
患者心理を知る
楽観性の科学—「何とかなるさ」のPros & Cons
山田 真希子
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1量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命科学研究所
キーワード:
楽観バイアス
,
学習性楽観主義
,
抑うつの現実主義
,
現実的楽観主義
,
ストレス緩衝・レジリエンス
Keyword:
楽観バイアス
,
学習性楽観主義
,
抑うつの現実主義
,
現実的楽観主義
,
ストレス緩衝・レジリエンス
pp.957-963
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620070957
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Point
◎楽観主義はストレス緩衝や行動推進力として働き,心身の健康維持や寿命の延長に寄与する可能性が示唆されている.
◎一方で,過度な楽観はリスクの見落としや問題先送りを誘発し,チーム内摩擦や個人責任論の助長を招く懸念がある.
◎「抑うつの現実主義」仮説では中等度の抑うつがリスク認知を促進する側面も指摘されるが,過度の悲観は健康維持に逆効果となりうる.
◎今後は,科学的根拠に基づくプログラム開発や社会的支援策により,リスク評価と前向き行動を両立させる「現実的楽観主義」の確立が重要となる.

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