連載 東日本大震災以来、メンタルヘルス支援を続けています
「心の架け橋いわて」の活動報告・5
「こういうの」を町の人たちと作っていきたい
伊藤 亜希子
1,2
1認定NPO法人心の架け橋いわて(こころがけ)
2福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座
pp.609-613
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200160
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被災地への思いが募った日々
私は生まれ育ちが東北である。
都内の精神科病院に勤務していた私は、大震災の日、東京駅近くの高層ビルで会議に出席していた。会場の仕切りが揺れに揺れ、倒れないように押さえたのだが、その時間がとても長く感じられた。会議は中止することとなり、駅に向かったが交通麻痺のため電車は動かず、東京駅の公衆電話の長蛇の列に並んだ。つながらない実家と職場に交互にかけ続けていたら、後ろで待っている人に「いいかげんにしろ!」と怒鳴られ我に返った。
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