Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ひいくんのあるく町」—闇の中の光が可視化された
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.1151
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202625
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ドキュメンタリー「ひいくんのあるく町」(監督/青柳拓)は,ひとりの障害者の「活動」と「参加」にフォーカスしている点で国際生活機能分類(ICF)の表現型としての議論が可能.とはいえ,ここは一篇の映像詩として,その世界を堪能すべきだ.
山梨県市川三郷町市川大門.和紙と花火と祭りの町だ.この町を故郷とする監督の青柳は,祭りの時は,必ずあの人を見かけていた.彼は町の人から「ひいくん」と呼ばれていた.ひいくん(38),渡井秀彦.いつも,ヘルメットをかぶっていて,どこでも見かける.今日は街はずれのJマート(ホームセンター)で見かけた.みんなひいくんを見ると笑顔になっていく.お客さんとも店員さんとも仲がいい.そんな彼は,果たしてどこで何をしている人なのか.青柳は,こんな問いを立てながら,ひいくんについていった.
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