寄稿
—[編集者と一緒に取材に同行して]—同じCNSとして私が感じたこと
川田 陽子
1
1八尾こころのホスピタル
pp.428
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200114
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お会いした時、中野真樹子さんは「患者さんの持っているレジリエンスを最大限に生かすためのかかわりの舞台は地域でしかありえない」「地域のなかでCBTという科学的根拠に支えられた方法で介入すれば必ずよくなる人がたくさんいる」、そう話された。そんな中野さんの信念が、彼女をして精神看護CNSの独立起業という決断へ向かわせた。しかもそれが、訪問看護でないところが素敵だ。なぜカウンセリングを中心とするメンタルヘルスマネージメントオフィスにしたのか。彼女の答えは「きちんとCBTをやれば治るから。よくなるのであれば、“看護”に限定する必要ないから」という明快なものだった。
たしかにオレム・アンダーウッドのセルフケアモデルでは、治療を受けていても看護が必要のない対象の存在を認めている。病院中心かつ統合失調症に標準を合わせてきたこれまでの治療モデルでは、中野さんが対象としている気分障害をはじめとするストレス関連障害の人たちに理想のケアを提供することに限界があることは、私自身も日々痛感してきたことである。
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