寄稿
CNSである私は、独立して企業を起こしました—ぜったい地域へ!
中野 真樹子
1
,
淡路 瑛子
1
,
守﨑 絵理子
1
,
佐藤 幸江
1
,
冨樫 剛清
1
1メンタルヘルスマネージメントオフィスIMS(アイムス)
pp.420-427
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200113
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般企業OLから看護師へ
私が精神科看護師を目指すようになったきっかけは、企業のOL時代にさかのぼる。一部上場企業の人事課に配属になったが、学生時代のノリが抜けきらず、同僚の愚痴を社内電話で聞きまくっていた。上司から「お前が来てから課の電話が鳴りっぱなしだ」と感心され、上司から「○○課の××さんが悩みがあるみたいだから聞いてきてくれないか?」とオーダーされるようになり、それが仕事になった。これは私の天職だ!と思い込み、1年間予備校へ行き、医療系大学の看護学部で勉強して看護師免許を取った。
念願の精神科に就職して驚いたのは、意外にも患者さんの話を聞く時間が取れないことだ。これは多くの新人看護師が感じることではないだろうか。業務に追われ、ゆっくりと話ができない。「何のために精神科看護師になったのだろう」と悩みに悩み、担当患者には、1週間に1時間話をする日を必ず作るという看護計画を組み立てた。精神科慢性期だからこそできるのだと当時思っていたが、その後異動した急性期病棟でも可能で、これは病院を退職するまで継続した。この「1週間に1時間」は現在のカウンセリングの基礎となり、認知行動療法(以下、CBT)を実施するうえで重要な構造化の習慣を私に与えている。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.