連載 地域ターミナルケア—看とりを支える沼隈町の通所訓練教室・8
OTとの同行訪問記
向井 恵子
1
1広島県沼隈町
pp.228-232
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900451
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かかわりはじめ
師走にはいった昼下がり,知人や健康づくり推進員から聞いたとのことで,久助さん(72歳)の奥さんが車椅子を貸して欲しいと来館された。保健婦が面接に出た。大切なインテーク面接である。カルテを準備して使う人の既往歴,現病歴,現在のADLの程度,生活状況,家族状況など聞いてゆく。久助さんは脳梗塞の発作を3回起こしていて,今3回目の退院問もないとのこと。1回目の発作は59歳で,この時は左軽度麻痺。入院はせず近医の往診のみであったという。2回目の発作は68歳。この時は脳外科へ1か月入院,やはり左麻痺で歩行困難気味であるが独歩は可能。そして今回は72歳で3回目。血圧は昔から高く,糖尿もあったという。そんな状態なのにわれわれの保健福祉活動を全く知らなかったらしい。病院しか考えられなかったとのこと。
よく話を聞くと,久助さんは10人兄弟で6人が死亡。久助さんは残った4人の末っ子なのだが,長兄は10年前よりわれわれが定期的に訪問をしている81歳の厚さんで,5か月前から通所訓練へも参加していて,今では妻と2人で喜んで週1回の参加を楽しみにしている人。
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