書評
「ケアする人も楽になる認知行動療法入門BOOK1&2」
曽根原 令子
1
1成増厚生病院
pp.59
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100946
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悔しいくらいに的確な言葉で説明されてしまうCBTの本
「これからCBTに取り組もうと思う人にぴったりの本」「丸暗記、詰め込み、一切不要」「ハラハラドキドキしながら事例を読み進めれば、認知行動療法の技法がすべて理解できるようになっています」と、他の本よりも若干太い帯に書かれてある大胆な宣伝文句。これは購入するしかないでしょ、と思い手に取ったのは今年の1月のこと。
最初はパラパラと読んでいたのが、ぐ~っと引き込まれ、気がつけば小一時間で読みきっていた。最初の感想は、「悔しい!」だった。私自身も、精神科認定看護師(うつ病領域)として、同職である精神科看護師に対して「認知行動療法的看護のすすめ」と題して、認知行動療法的看護の普及啓蒙に向けて活動している。講義のときには頭をひねり、こうしたら伝わるだろうか、ここはもっとこういうふうにして……と試行錯誤を重ねていたのに、著者の伊藤絵美先生は認知行動療法のことを、いとも簡単に、的確な言葉を使って端的に説明しきってしまっている。悔しい気持ちは、自分のボキャブラリー能力の低さを見せつけられた気がしたからだ。
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