焦点
うつ病を持つ人を対象とした看護理論の構築に向けて―「自己・非自己循環理論」を基盤に
村瀬 智子
1
1近大姫路大学看護学部看護学科
pp.27-32
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100912
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A氏の場合
身体感覚異常、反射反応喪失、自立神経機能麻痺、協調運動能力低下、短期記憶喪失、化学物質過敏症、低周波音過敏症、電磁波過敏症、抑うつ気分、思考力低下、感情鈍麻、味覚喪失、意欲低下、希死念慮。
これらが、2001年11月11日の深夜、A氏に突然発現した自覚症状です。40代のA氏は、過去10年間に6回の転居を経験し、念願のマイホームを新築したのでした。しかし、健康仕様を看板にしていた住宅には、現在では使用中止となった防蟻剤や高濃度のホルムアルデヒドなどの化学物質が使われていたのです。それらが原因でA氏の家族全員がシックハウス症候群となりました。その後、A氏はうつ病と診断されましたが、心身の不調の原因が判明するまでに3年が経過していました。
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