特集 看護管理者に求められる役割・能力―実力をつけるために必要なこと
国立保健医療科学院・病院管理研修「看護部長コース」
看護管理者がめざすもの 国立保健医療科学院「看護部長コース」修了者に聞く
理論と実践を統合させながらの自己研鑽
上田 順子
1
1旭川医科大学病院・看護部
pp.292-294
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100056
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なぜ「看護部長コース」を受講したのか
旭川医科大学病院では,病院の管理運営を適切かつ円滑に行なうために2000年から3人の副院長を設置した。うち1人は看護部長をもって充てる,という役職指定であった。2002年,看護部長就任と同時に副院長を兼務することとなった。病院経営に関する会議への出席を重ねるたびに,病院全体の視点で発言することの難しさを痛感していた。2005年,国立大学法人化2年目を迎え,平均在院日数の短縮は加速し,手術件数の増加,重症度の上昇など医療現場は極めて多忙な状況となり,看護部として多くの課題を抱えていたため,副院長の立場より看護部長としての発言に終始するようになった。院長からは,もっと経営的視点に立ち発言をするように求められた。一方,看護師長会議では看護部長としての発言を求められ,看護部長と副病院長の狭間でジレンマに陥っていた。
また,看護基礎教育で専門職業人として理論と実践を統合させながら自己研鑽し続けることの重要性を学んだことで,看護管理者としても経験だけでなく理論的裏づけをもち,キャリアアップを図りたいと考え,副看護部長時代から認定看護管理者をめざしていた。その認定審査の準備中,医療経済や保健福祉の動向や病院経営に関する学習の必要性を認識していた。
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