連載 事例から学ぶ 糖尿病のコーチングマインド・5【最終回】
自己基盤—自己基盤が整うと糖尿病と向き合えるようになる
大石 まり子
1
,
森岡 浩平
2
,
石井 均
3
1大石内科クリニック
2森岡内科クリニック
3奈良県立医科大学・患者関係学講座
pp.2362-2367
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229346
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症例提示
47歳,女性,保育士.
夫と2人の子どもがいるが,子どもは結婚して家を出た.
現病歴:健康診断で糖尿病の境界型と言われて,定期的に通院していたが,6年前(X−6年)から中断していた.X年,最近気になって当院に初診となった.HbA1c 6.0%,BMI 22kg/m2.
本人は「自分の血糖が高くなるのは,間食が問題である」と語った.「どうして自分だけ,こんなに頑張らないといけないのかと思うと食べないではいられない.職場では間食できないので,帰宅後夕食の時間まで食べてしまう.自分が嫌い.人が自分をどう見ているのかが気になって仕方がない」などの話が出た.本人が食行動の問題を自覚しており,糖尿病への進行を気にしていたので,糖尿病予防のために食事運動療法の指導を行った後,2〜3カ月ごとの受診と看護面談でのコーチングセッション(約1時間)を,本人の希望もあり継続することとした.
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