連載 「医療」と「福祉」再編の時代へ 「介護職員等による喀痰吸引等の法制化」を読み解く・第1回【新連載】
なぜ「喀痰吸引等」が介護職員等の業務に入ったか?
高木 憲司
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1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
pp.572-576
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102550
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筆者は、厚生労働省(以下、厚労省)のなかでも「障害者福祉」を担当する課に在籍しています。ここでは、居宅介護・重度訪問介護等の訪問系サービスや、障害者支援施設・グループホーム等の居住系サービス、生活介護や就労移行支援等の日中活動系サービスなどの障害福祉サービス全般と、障害児支援・発達障害者支援などを所管しています。筆者は主に「身体障害」に関する施策を担当しており、その立場から2012年度4月に「介護職員等による喀痰吸引等実施のための制度」(「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正。以下、本制度)の成立にも深く関わってきました。
こうした新たな制度ができるとき、担当省庁内では、関連の専門家や関係者(ステークホルダー)を交えた検討を行ないます。その制度を必要とする背景や、制度に関わるこれまでの取り組みの実態を踏まえ、何より、その制度を利用する人々にとっての安全性を重視しつつ、できるだけ使いやすい制度となるよう現場での実際の運用も視野に入れて、慎重に制度設計をしていきます。
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