連載 訪問看護 時事刻々・144
今月の話題 たんの吸引等の解禁
石田 昌宏
pp.224
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101819
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昨年末に“介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ”が発表された。これには「たんの吸引等の医行為が必要な者に対して、より安全に提供されるよう、介護福祉士などの介護職員等によるたんの吸引等の実施のための所要の法整備を行う」と明記されており、そもそも介護職員等への解禁を前提にまとめられたものだった。政局次第で微妙さは残るが、通常国会で介護保険法の改正と一括して、法改正が行なわれるのだろう。ちなみに、「たんの吸引等」とあり、この「等」が明確でないとどこまででも範囲は広がるのでよく注意しないといけない。
今、示されている内容は、口腔内・鼻腔内(咽頭の手前までを限度)、気管カニューレ内部のたんの吸引、胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養(状態確認は看護職員が行なう)とされている。しかし「まずは、たんの吸引及び経管栄養を対象として制度化を行うが、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとする」と将来の範囲拡大を示唆している。
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