連載 衛生行政キーワード・5
混合診療の解禁
迫井 正深
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学課
pp.154-156
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100035
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
概要
「混合診療」とは,保険診療と保険外診療の混在である.現在,一部の特例(「特定療養費制度」)を除き混合診療は認められていない.しかし,近年,規制改革・民間開放推進会議(以下,規制改革会議)などを中心に,これを全面解禁すべき,との意見が出され議論を呼んでいる.特に,総理が平成16年内に解禁の方向で結論を出すよう指示したことから,国民的な関心を集めた.
規制改革会議や経済団体等は,患者の多様な選択を推進するため,混合診療の解禁を主張.一方,厚生労働省および日本医師会をはじめとする医療関係団体のほとんどすべてが,患者の負担増大を招き,公的医療保険制度の信頼を損ねるなどの弊害から,混合診療の解禁に反対し,衆・参両院もそれぞれ全会一致で混合診療導入反対の請願を採択.その後,両者の主張は平行線を辿った(図1).
最終的に,年内に結論をという総理の指示を踏まえ,規制改革担当大臣と厚生労働大臣が折衝を重ねた結果,提起されている具体的事例について順次対応するとともに,今後,現行の特定療養費制度を廃止し,保険外負担の在り方を根本的に見直すことで両者が合意(平成16年12月15日),総理の了承を得て一応の決着が図られた(図2,3).
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.