連載 ニュースウォーク・66
「派遣」看護師,来春解禁
白井 正夫
1
1元朝日新聞編集委員
pp.896-897
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100168
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「私,医学部の4年生のとき,患者のためになるのは医師より看護師だと気づいた。医学部をやめて,看護師の道を歩いたの」
米国シカゴの病院。救急救命の現場で働く女性看護師の言葉である。彼女の話にカーター,ベントンら医師の表情が一瞬止まってしまった。もうおわかりと思うが,米国の人気テレビドラマ「ER・緊急救命室」の1シーンである。日曜日の夜,チャンネルを回していて,「ER」のおなじみのメンバーに出会った。
ドラマのシーンは,研修を受ける女性看護師を含むスタッフ5人が豪雨で到着の遅れた講師を待つ場面。5人は自分の境遇にふれながら,医療にかける思いを話す。そこで看護師がかつて医学生だったことを明かし,カーターら医師たちの衝撃を誘う。彼女が医師に対して少しムキになっているのが口調で伝わってくる。ドラマが描くのは,医師と対等というより医師をもしのぐ看護の仕事に対する高い意識である。
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