連載 感染症 Up to Date・47
ピル解禁に向けての議論—ピルの使用がSTDを蔓延させるか
北村 邦夫
1
1(社)日本家族計画協会クリニック
pp.880-882
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902064
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
米国に遅れること40年。遂にわが国でも低用量経口避妊薬(Oral Contraceptives:OC,以下「ピル」)が承認された。しかし,わが国の女性からはピルが副作用の代名詞のように扱われ続け,エイズ・性感染症の専門家には「ピルの使用でエイズを含む性感染症が蔓延する」と批判されていることから,難産の末承認に至ったピルも,多くの女性たちに受け入れられる避妊法になるのだろうかとの一抹の不安を隠すことができない。
本稿では,特に,ピルの使用がエイズを含む性感染症(STD)を蔓延させるのか,ピル処方にあたって,どのような性感染症対策が講じられていくのかの2点に絞って論じることとしたい。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.