特集 思春期病棟を「発達障害」の視点から作り直した病院がある―大阪府立精神医療センターの試み
私たちも変化の途上にいます。これからの課題
栗田 育子
1
,
思春期病棟スタッフ一同
1
1大阪府立精神医療センター
pp.49-57
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100667
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柔軟で力強いケアができる条件を整えていく
第14歩 入院時情報聴取項目を見直す
新たな試みをしてきた私たちの病院ですが、次の段階として必然的に見直しを迫られています。特に思春期に発見された発達障害の患者さんに対して、未だに確立されたケアがないなかでは、既存のケア方法や児童の治療的教育(療育)で蓄積された経験を参考にしながら、試行錯誤している段階です。
精神科と他科とが大きく異なるところは、入院が「治す」という概念を超えて存在することではないかと思います。特に思春期という成長著しい時期、ものごとを吸収できる時期の入院は、長期になればなるほど「生活のしづらさ」、「家族との溝」を深めていく結果をもたらすこともおおいにあり得ます。
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