FOCUS
お金を使った節約のススメ―職員の労働環境にお金をかければ収益は上がる
高野 政則
1,2
1(株)ダブルエイチオー教育コンサルティング事業部
2特定医療法人楠会介護老人保健施設サン・くすのき看護・介護部
pp.58-68
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100668
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看護師は「なんでも屋」?
私が現在の介護老人保健施設に移り、約1年半が過ぎました。この施設に勤務した当初、最初に思ったのが「なんてアナログなんだろう」ということでした。1つ1つが手作業であることが多く、ガーゼもカストで看護師がオートクレーブにかけ、薬もセットから配薬までとても時間のかかる作業をしていました。薬はホッチキスで留めたり曜日分けするために4~5日かかり、さらには配薬前にトレーに分けて再セットするといった作業が日々繰り返されていました。薬のセットのための作業に看護師1人がかかりきりになってしまっている状態でした。
私は以前から、看護師がこうした作業にかかる時間はとても無駄だと感じています。ですのでこの様子を見て思いました。「看護師はどこへ行っても“なんでも屋”になってしまいがちだなぁ」と。看護がすべき業務ではないことに翻弄されて、患者さんのベッドサイドへ行ってケアを行うという本分が行えなくなっているのです。大きな病院や組織ではこうしたことが見直されていますが、小さな施設や病院ではいまだに改善されていないのが現状です。
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