特集1の1 「鑑定入院」をめぐる混乱を整理する
この事例はどうしてこの処遇になったのか
五十嵐 禎人
1
1千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門
pp.37-43
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100501
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法的な強制力を伴う医療であり、この医療の必要性がいえなければならない
医療観察法の制定前、わが国には触法精神障害者に関する特別の処遇規定はなく、重大な触法行為を行ない、心神喪失・心神耗弱などを理由に刑を免れた精神障害者は、主に精神保健福祉法の措置入院制度によって対応されてきました。そして措置入院も、特別な専門治療施設で行なわれるわけではありませんでした。こうした点は日本が多くの欧米諸国に比べて遅れてきた点だといえます。
医療観察法は、わが国で初めて国の責任によって運営される、医療ならびに社会復帰のための支援を提供するための法律だといえます。
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