病院精神医療の展開
てんかん患者の取扱いと処遇の問題
福島 裕
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
pp.88-91
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207660
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従来,てんかんの発病率は0.3〜0.5%とされてきた.最近では,もっと高率であろうという推定もなされている.このように言われている発病率から有病率を推定してみると,現在の我が国には,少なくとも50万人のてんかん患者がいるものと考えられる.
ところで,現在では,てんかん発作に対する薬物治療が非常に進歩し,その治療予後も著しく改善されている.最近の,我が国の調査研究(全国多施設共同研究)の結果4)では,長期治療例について,その半数以上が発作の完全抑制ないしは長期間発作消失という成績が見いだされている.てんかんの治療と予後に明るい見通しを与える結果であったと言える.
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