これからの医療と医療制度・11
要介護老人の処遇
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.2480-2481
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903399
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わが国の人口の高齢化は,前号でも触れたように諸外国と比べて相当に速いスピードで進行している.また,世界に冠たる最長寿国であることから,75歳以上の後期高齢者の占める割合が上昇し,身体的あるいは精神的な障害を持った老人が今後急速に増加する.これら障害を持った高齢者は,家族や地域社会などから,さまざまな支援を受けて生活していかなければならず,特に寝たきりや痴呆などいわゆる重度の要介護老人には,量的にも質的にも十分なケア・サービスの提供が求められている.しかし,要介護老人のみならず高齢者の処遇をめぐるわが国の現状は,解決すべき数多くの大きな問題を抱えている状況にあることは,衆目の一致するところであろう.
昭和60年に推計された寝たきり老人数の今後の見通しは,6年後の平成12年におよそ100万人に達すると見込まれており,そのうちの約35万人は在宅での療養が想定されている(表1).
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