特集1の1 「鑑定入院」をめぐる混乱を整理する
―特集にあたって―「医療観察法」―看護の立場から何ができるか―鑑定入院・通院医療に焦点をあてて
美濃 由紀子
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部
pp.16-19
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100498
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「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「医療観察法」)」が、2005年7月15日に施行されてから、もうすぐ4年目を迎えます。
私は現在、国立精神・神経センター精神保健研究所の司法精神医学研究部に属して、指定通院医療機関におけるモニタリング研究を実施し、全国の通院処遇の対象者に関するデータを収集しています。また、全国の指定通院医療機関の多職種スタッフを訪ねて歩いては、現状や感じている困難感、効果の実感などについて、詳しい聞き取り調査も行なっています。数値的なデータからわかる量的なことと、臨床現場のスタッフ1人1人の実感を直接聞くことでわかる質的な内容を統合しながら、現状と課題について吟味していくことで、よりよい医療観察法制度、そしてよりよい精神医療の実現のための一助になればという思いでいます。
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