日本看護診断学会第21回学術大会報告 的確なアセスメントから生み出される正しい看護診断
【教育講演】
災害看護におけるアセスメント—こころに焦点をあてて
酒井 明子
1
Akiko Sakai
1
1福井大学医学部看護学科
1University of Fukui, Faculity of Medical Sciences, School of Nursing
キーワード:
災害看護
,
こころ
,
アセスメント
,
時間論
Keyword:
災害看護
,
こころ
,
アセスメント
,
時間論
pp.21-25
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200019
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世界的に自然災害数は増加しており,被害状況も複合化・多様化・長期化している.災害時には,日常の社会生活に潜む問題が噴出するため,災害看護においては,日常の社会や個人の多様性に着目し,災害初期から長期的な問題を見極めるためのアセスメントが重要になる.災害看護のアセスメントの考え方には,重要な2つの鍵がある.1つ目は,「直接知覚できない,見えないもの」に対するアセスメントである.2つ目は,「社会の脆弱性に起因する課題」に対するアセスメントである.さらに正しくアセスメントするためには,被災地に出向き,頭でわかるレベルではなく,体に染みつかせること,こころで感じることが重要になる.筆者は,東日本大震災(2011年)発生翌日から4年間(1年,1年半,2年,3年,4年後),被災地域および被災住民と現地で協働的実践活動を継続しながら被災者の心理的変化を分析してきた.本稿では,災害看護におけるアセスメントの考え方,災害看護におけるこころのアセスメントに焦点をあてて説明する.
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