研究・調査・報告
患者の妄想や陰性感情の対象となった看護師の感情とメンタルヘルス
武樋 美智子
1
,
中川 慶子
1
,
木村 恵
1
,
山崎 千鶴子
1
1日本大学医学部附属板橋病院・看護部
pp.70-74
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100384
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はじめに
患者の妄想や陰性感情の対象となったことがあるかを当院の精神科病棟のスタッフにアンケートをとったところ、6割を超える看護師が「ある」と答えた。看護師は、内面においてストレスフルな感情を経験していた。患者の否定的行動化は看護師に消耗感を与え、バーンアウトの要因になるという報告もある。しかし、多くの場合は感情のコントロールが行なわれるため、看護師が感情を語ったりその経験が共有されることは少ない。
今後は院内での適切なサポート体制が求められるが、それを考えるときには当事者となった看護師の経験した感情を理解することが必要である。
そこで今回、患者の妄想や陰性感情の対象となることは、看護師にどのような感情を経験させ、またメンタルヘルスにどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的に研究を行なった。
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