ナースのためのヘルスサイコロジー講座・8
情動と感情,そしてヘルス
五十嵐 透子
1
1金沢大学医学部保健学科
pp.762-767
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903796
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情動と感情,そしてヘルス
エピソード 10
臨床を続けながら,夜間や週末に大学院に通学し始めた人がいました.入学当初は積極的に臨床と学業をやりこなしていたようですが,後期に入ると思うように研究テーマが決まらなかったり課題がこなしきれない状態になっていました.「先生たちには大学院に自分の意思で来たんだから,たいへんでもやるのが当然でしょって言われるし,確かにそうだとは思うんです.でも,思うようにできない自分が腹立たしいし,こんな状態でやっていけるのかと不安にもなるんです」と,理想像と現実の自分とのギャップに怒りを抱き,将来に対する不安を抱いていました.入学から10か月ほど経過した折,ある健康障害の発病のために入院になりました.
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