FOCUS
老年期はフットケア!
平田 麻紀子
1
1和功堂
pp.74-85
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100288
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放っておかれた足と、何もできなかった自分
私が「足」に関心をもちはじめたのは、整形外科・形成外科病棟に看護師として勤務していた頃でした。
糖尿病性壊疽で、毎年必ず入院し足の切断を繰り返していた人がいました。その人の靴をどのようにしたら、退院後に潰瘍をつくらなくてすむのか……。また、健足の外反母趾の痛みのためになかなかリハビリの進まない大腿骨頸部骨折の患者さんや、明らかに足をきちんと入れることができない靴に、顔をしかめるほどぎゅうぎゅうと足を押し込んで、甲の部分のファスナーも半開きのまま訓練室へと送り出されていた片麻痺の患者さんもいました。みんな、急性期の病棟ではそれほど重要視されない「靴」「足」「歩行」の問題で苦痛を強いられていたのですが、私にはどうすることもできずにいたのです。
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