特集 つらい「幻聴」とうまくつきあう――コーピングスキルの獲得
―〈誌上ライブ 第11回精神障害者リハビリテーション学会・実践交流会より〉―当事者が語る「仲間といっしょに探す“幻聴さん”とのつきあい方」
向谷地 悦子
1
,
林 園子
1
1浦河べてるの家
pp.24-31
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100201
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本稿では,学会場における向谷地悦子氏と林園子氏の発表を,質疑応答も含めてライブ形式でお伝えします。(本誌編集室)
SSTでSOS
向谷地 「浦河べてるの家」で看護師をしています向谷地悦子です。よろしくお願いします。
まず事例を紹介させていただきます。30歳代の女性で,病名は統合失調症。大学時代に発症し,「電話をしてみたら」というような指示的な内容の幻聴が出現します。そのため人から言われた言葉,話した内容が気になり,「あれはどういう意味だったのか」と何回も繰り返し確認行為をするようになります。確認行為がエスカレートすることで本人の孤立感も深まり,強迫行動がさらに強まっていきました。入退院を繰り返すものの改善がみられず,強迫的に外来受診を昼夜繰り返し,そのたびに注射の回数も薬の量も多くなっていきました。
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