特集 つらい「幻聴」とうまくつきあう――コーピングスキルの獲得
患者さんはこんなふうに対処している―精神科リハビリテーションとコーピングスキル
江畑 敬介
1
1江畑クリニック
pp.32-36
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100202
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日本精神障害者リハビリテーション学会において,「正体不明の声」として幻聴体験を外在化させ,それに対する自己対処技法(コーピングスキル)を考案された原田医師,および自らの幻聴を「くどう くどき」君と名づけて,それに対する自己対処技法を考案された浦河べてるの家の林氏の発表は,旧来の統合失調症の疾病概念を突き破るものであったといってもよいのではないでしょうか。
E. クレペリンがいまから約110年前に,ドイツの精神病院に入院して数年するうちに人格荒廃に至る疾病群を観察して,それを脳内の病的過程によって起こる早発痴呆(現在の統合失調症)という疾病概念としてまとめたことは周知のとおりです。
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