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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
2 透析膜・濾過膜―材質と意義
Membranes for dialysis and filtration―Physicochemical structures and their significance
木口 崇彦
1
,
山下 明泰
1
Kiguchi Takayoshi
1
,
Yamashita Akihiro C.
1
1法政大学生命科学部環境応用化学科
キーワード:
セルロース系膜
,
合成高分子膜
,
均質膜
,
非対称性膜
,
生体適合性
Keyword:
セルロース系膜
,
合成高分子膜
,
均質膜
,
非対称性膜
,
生体適合性
pp.161-166
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000419
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はじめに
血液透析(hemodialysis:HD)の臨床が始まった20世紀前半1),透析膜には治療を無事に終えるために必要な機械的強度が第一に求められた。1971年には中分子量物質の除去の必要性が指摘されたが2),この時代の透析膜は溶質透過性が低く,小分子物質でさえ十分に除去することができなかった。その後,さまざまな素材,構造の膜が設計できるようになったことで,薄膜化や大孔径化による透水性および溶質透過性の改良が行われた。現在では,ハイパフォーマンスメンブレンを用いた血液透析や血液透析濾過(hemodiafiltration:HDF)によって,かつては中分子や大分子とされていた分子量数千から一万以上の溶質でさえ,高効率での除去が可能となった。本稿では,血液浄化膜の物理化学的構造と透過特性について概説する。
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