連載 精神看護キーワード事典・9
事例研究―院内研究の楽しみと苦しみ
萱間 真美
1
Mam Kayamai
1
1聖路加看護大学・精神看護学
pp.89-92
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100149
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●魔の季節
1年のなかで、私は6月が一番苦手だ。この月には確実におかしくなってしまう。たしか、結婚したのも6月だった。いつまでたっても暗くならず、何かが息を潜めているような不穏な気配がするこの季節は、精神科病棟の入院患者さんも多いといわれる。「木の芽どき」だからね、とぼやいておられる方も多いのではないか。
私にはこの時期、やたらに仕事を引き受けてしまう癖もある。どうせ6月はつらい季節なのだからまとめて仕事を入れてしまえ、という自虐的な気持ちになり、ただでさえ忙しい日常にさらに毎週水曜日の夜7時から8時半まで、5回にわたって勤務する大学の実践研究センターで行なわれた臨床看護師のための「事例研究」というセミナーを引き受け、つい昨日無事に終了した。私にとっての魔の月も今日で終わろうとしている(いや、まだ真夜中までは油断しないようにしなければ)。
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