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Ⅰ.はじめに
障害者の保健福祉施策に関わる最近の動向をみると,平成5年12月3日には,「心身障害者対策基本法の一部を改正する法律」が公布され,「心身障害者対策基本法」が「障害者基本法」に改められた12).この法律によって,対象となる障害について旧法で身体障害者福祉法の範囲に制限列挙されていたものが取り払われ,さらに精神的欠陥というあいまいな表現であったものが明確にされ,身体障害,精神障害と包括的に規定されることになった.また,「てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって長期にわたり生活上の支障のある者」がこの法律で障害者の範囲に含められることになった.
一方,平成6年6月には「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案」が国会で成立し,「保健所法」が「地域保健法」に改められることとなり,さらに今年5月には,「精神保健法」が「精神保健および精神障害者福祉に関する法律」に改正されるなど3),在宅障害者というテーマで,それに関わる施策を解説するとなると複雑多岐にわたる説明が必要となる.そこで本稿では,その対象を身体障害者に限定して,在宅の身体障害者が活用できる,いわゆるショートステイ,デイサービスについて解説する.
身体障害者のための在宅福祉サービスについては,平成2年における「老人福祉法等の一部を改正する法律」の施行に伴い,身体障害者福祉法第18条による「身体障害者居住生活支援事業」注1)として実施されることになった5).これに伴い,従来の在宅重度身体障害者ショートステイ(短期保護)事業は「身体障害者短期入所事業」,また,在宅障害者デイサービス事業は「身体障害者デイサービス事業」とそれぞれ名称を変え,平成3年1月から実施されている.
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