特集 How to Follow-up―ハイリスク児フォローアップの必修知識2023
リハビリテーション,療育
療育とデイサービス
白井 育子
1
,
小沢 浩
1
SATO-SHIRAI Ikuko
1
,
OZAWA Hiroshi
1
1島田療育センターはちおうじ神経小児科
pp.573-576
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000869
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療 育
1.リハビリテーションからノーマライゼーション,インクルージョンへ
まだ歩かないが大丈夫か,まだ話さないが心配ないかなど,わが子の発達が気になる保護者に,「そろそろ療育を始めましょう」「療育施設にご紹介します」など,外来で伝える機会も多いと思う。そもそも「療育」とは日本独自の用語で,肢体不自由児に対して整形外科的医療を基礎に,教育,職業訓練などを共同して援助し,社会復帰を可能にしていくことを意図しており1),いわゆるリハビリテーション(機能回復)の意味合いが強かった。しかし,現在では,重症心身障害児(重症児),知的発達症児,神経発達症児(自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症,限局性学習障害,発達性協調運動障害)など,その対象は大きく広がり,もともとある能力を生かすハビリテーション,さらには障害のあるすべての人や生活弱者を特別扱いし排除するのではなく,普通の生活ができるよう平等に扱うノーマライゼーション,個々に合った支援で生活を営むことのできるインクルージョンへと比重が大きくなり,何かしら障害を抱える小児へのさまざまな支援を意味する用語に変化している。
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