特集 訪問看護とリハビリテーション
地域リハビリテーションに行政としてかかわって―専門職の役割はどう変わったか
山本 和儀
1
1大東市保健医療福祉センター
pp.322-325
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901654
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はじめに
今日,在宅保健医療福祉サービスの整備は喫緊の課題であり,国ならびに都道府県,市町村においては,計画に基づき急速にその充実が図られつつある.その中では,従来から提供されてきた施設中心のサービスではなく,在宅生活を基本とする方向性が明確に打ち出されている.また,今後はノーマライゼーションを基盤とした地域社会の醸成がより一層重要であり,個々人の生活に即したサービス提供のあり方が求められている.このことは障害者プランの副題においても「ノーマライゼーションプラン」という形で明確化されている.
これらのことは,我々専門家が従来から提供してきたサービスのあり方に一石を投じるものともいえる.すなわち,専門家であるがゆえに身体機能等に偏重したサービスを提供してきた結果,「病気を診て人を診ず」という言葉が如実に示すごとく,個々人の「生活」という視点を軽視してきたことに対する警告とも捉えることができるのである.
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