発言席
地域行政のケース-ワーカーは専門職たるべし
大橋 誠
1
1社団法人東村山市医師会公衆衛生
pp.649
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206159
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それぞれの地域で,地域care(この言葉は福祉部門でのみ使われる言葉であるようであるが,私はcareという言葉の内容にとてもひかれているのであえて使わせていただく)に携わる者として,数年前から導入されたWHOとUNICEFのプライマリ-ヘルス-ケア(PHC)の概念は,我々のcare実践の理論づけの上で興味深いものがある。この概念の一面を私は次のように理解している。
地域careの主人公はbe cared person(s)(careされている人)であることを私は主張し続けているが,この主人公を中心(複数の場合は同心円の内円)として,その円周(複数の場合は外円周)上にcare集団が並列して行動を起こしている。つまりbe cared person(s)とcare集団の個々人との距離と力は等しい。我々care集団はさまざまの職種から成り,この異職種が見事な共同作業を行うのがPHCの特徴である。医師,保健婦,看護婦,PT,OTそして行政のcase worker(以下CWと略す)が数えられる。これらの職種の中でCWのみが他と異なる。彼らは行政の中にあって,一般行政職に属し,専門職ではない。ある日突然,辞令一本で福祉とは全く関係のない部課から来る。そして又,ある日突然他の部課へと任命されて行く。
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