特集 保健師を考える・1 保健師のニュービジョン
〈保健師のアイデンティティ〉
①行政官と専門職の間で
朽木 悦子
1
1大阪市健康福祉局高齢者施策部
pp.265-267
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100353
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
行政官と専門職の間にいる保健師
保健師として大阪市に就職した頃先輩から言われた言葉がある.「公務員である前に保健師であること」と.これの意味するところは,主にケースへの支援において,制度や法を適応できない場合も多いことから,型どおりの支援に終わることなく,その人の立場に立って支援するようにという意味である.
一方,行政職の同僚からは「保健師である前に公務員であれ」と言われたものである.保健師という専門職である前に,公務員としての立場・職業意識を持つようにとのことである.当然のことではあるが,この意味には,専門性を強調しがちな保健師への皮肉も込められていた気がする.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.