特集 衛生行政を担う人材―獣医師・薬剤師
衛生行政領域にかかわる獣医師の役割と課題
森田 邦雄
1
1一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会
pp.711-715
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102829
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はじめに
獣医師については,一般に動物のお医者さんというイメージが強いと思われるが,獣医師法第1条では「獣医師は,飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて,動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り,あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする」と規定されており,公衆衛生の向上に寄与することもその任務とされている.これは,動物および食肉などの動物性食品を原因とする人の健康被害を防止するための対策を講ずるうえで,その専門家である獣医師を必要とするためである.現実に,公衆衛生行政領域において長年,多くの獣医師が種々の業務に従事し貢献しているが,一般にその認知度は低いと思われる.
ここでは,公衆衛生行政分野における業務について,法律の規定上,獣医師でなければできない業務,獣医師の貢献が必要な業務および獣医師が貢献できる業務に分類し,その役割の現状と課題について記し,多くの方のご理解を得られれば幸いである.
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