特集 訪問看護とリハビリテーション
地域におけるリハニーズにどう対応していくか―在宅総合ケアセンターの役割と展望
伊藤 隆夫
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1近森リハビリテーション病院在宅総合ケアセンター
pp.315-321
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901653
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はじめに
厚生省でまとめた平成7年訪問看護実態調査によると訪問看護ステーションで実施した訪問での看護内容は,「本人の療養指導」が78.0%と最も多く,次いで「家族の介護指導」,「日常生活の介助」がともに76.6%,「リハビリテーション」64.8%の順となっている.ここでいう「リハビリテーション」とは狭義のそれであり,「機能訓練及びその指導」といったレベルで捉えていると考えられる(図1).
一方,リハビリテーション専門職であるとされる理学療法士(以下PT)や作業療法士(以下OT)は全国でどれくらい訪問活動に従事しているかというと,常勤換算数で全従事者の2.1%,訪問件数においても全体の2.6%に過ぎないというのが現状である(表1).つまり,訪問活動の現場ではリハビリテーションサービス(以下リハサービス)に対するニーズがかなり高いにもかかわらず,専門職としてのPT・OTが極めて少ないために訪問看護婦がその肩代わりをしているといった状況が容易に想像できる.さらに実際に実施されているリハビリテーションの内容は関節可動域訓練や座位訓練,歩行訓練といった身体的機能障害に対する機能訓練に終始しているのが現状と考えられる.
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