特集 痴呆ケアについて知っておきたいこと
行政の役割と痴呆ケアシステム
田淵 よしみ
1
1大津市中央老人介護支援センター
pp.374-379
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901489
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介護保険施行前の準備期間中,大津市では申請者の認定調査票と主治医の意見書の整合性を全数チェックしたところ,痴呆性老人日常生活自立度の項目に不一致が多くみられた。調査員と主治医双方に確認すると,痴呆の理解にバラツキがあり,特に早期痴呆の判断には大きな差がみられた。痴呆に関する情報を調整して整合性のあるものとして認定を進めていた頃,痴呆性老人の認定が低く出ること,ショートステイ枠の問題など,マスコミで痴呆性老人の問題が大きく取り上げられ,社会問題として表面化してきた。認定がほぼ完了した平成12年3月末には,大津市の要支援・要介護状態にある痴呆性老人日常生活自立度を統計処理したところ,I以上が63%という結果を得た。
大津市では,総合的な痴呆性老人対策が急務であると考え,平成12年度の厚生労働省の老人保健健康増進等補助金を受けて,大津市痴呆性老人の地域ケア体制整備事業を実施することにした。本事業は3年計画で,平成13年度も同補助金を受けて,平成14年度の全市展開に向けて推進している。
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