巻頭言
厚生行政の用語と地域包括ケアシステム
田村 茂
1
1地域リハビリ支援室・タムラ
pp.301
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201599
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私が国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(当時)の学生だった昭和45年ごろ,3年制だったリハビリテーション学院を4年制にすべきとして渋谷駅前で街頭署名運動を行った.そのころはリハビリテーションの言葉さえ知る人はおらず,リハビリテーションとは何かを説明することが大変だった.あれから半世紀になろうとしている.今ではリハビリテーションという言葉がもう日本に根付いて久しい.しかし,多くは運動回復の機能訓練の意味で知れ渡っているだけで権利名誉の回復という意味理解までは至っていないのは残念である.
同じように身近なところで用語が適切なのか疑問に思うことが多々ある.例えば『介護予防』.もうこの言葉に慣れた方が多いとはいえ,原点に返って考えてみると,そもそも介護は予防すべきなのか,介護を利用して安心な生活を送るはずではなかったのか.厚生労働省(以下,厚労省)はもっと適切な用語を創れなかったのだろうか.使うなら予防医学にあわせ予防介護にすればまだましな感じがする.
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