特集 痴呆ケアを考える―看護職の視点,介護職の視点
痴呆ケアにおける介護職の役割をこう考える
是枝 祥子
1
1福音会在宅支援室
pp.775-780
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902429
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「痴呆」と聞くと,多くの方はマイナスのイメージを持たれているようです.「何もわからなくなってしまって……」「人生もおしまいだ」という具合でしょうか.そうなると,かかわる側は,“あきらめの気持ち”が先になってしまい,積極的なケアが望めなくなる傾向になりがちです.しかしどんなに重度の痴呆になったとしても,私達と同じ人間,1人の「人」として向き合うことが大切です.
“痴呆症の○○さん”という見方をしてしまうと「痴呆」ばかりが問題視されがちです.そこで私達は“○○さんにはたまたま痴呆があって何か問題を引き起してしまう”と考え,接することにしています.そうすることによって○○さんという「人」ときちんと向き合えるのです.自分の延長線上にいるという考え方です.
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