特集 保健婦の地区活動を再考する—ニーズ把握事例集
[plan・do・seeの繰り返しの中で]
老人性痴呆患者ケアシステムにおける連携について
永井 美登利
1
,
小沼 文子
2
,
山口 文子
3
,
石川 尚美
4
,
八重樫 友
5
1茨城県下館保健所(前,ひたちなか保健所)
2茨城県児童福祉課(前,ひたちなか保健所)
3茨城県土浦保健所(前,ひたちなか保健所)
4茨城県日立保健所(前,ひたちなか保健所)
5茨城県鉾田保健所(前,ひたちなか保健所)
pp.836-838
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902055
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はじめに
急速な少子高齢化社会が進む中で,老人性痴呆患者のケアについては,家族のみでは解決しえない問題となっており,また保健,福祉,医療,地域などが相互に連携をとらなくては,在宅での支援が困難なケースも増加している。ひたちなか保健所では,従来より「老人精神保健相談」窓口を設け,個々の相談事例に対して関係機関との連携をとりながら対応していた。
「老人性痴呆疾患センター」を活用した相談手法を基本に,平成7年度より一貫した手法でケース対応を実施した結果,関係機関からの相談件数が年々増加していった。しかし,相談件数が増加していく中で,次の点が問題となってきた。
・保健所の組織再編により,相談を受ける保健婦らのスタッフ不足。
・単身世帯や高齢夫婦世帯,疾病の重複などによる身体状態の悪化など,対応方法が複雑多様化している。
・相談窓口の多様化と周知不足による問題
上記の点や後に紹介するケースを通し,援助方法などについて,関係者や地域住民と情報・意識の共有化の必要性を感じ,「保健福祉サービス調整会議」において支援方法の検討を実施していった過程について紹介する。
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