特集 痴呆性老人対策を見直す—ぼけても安心できる地域づくりのために
痴呆性老人対策における保健婦の役割
頼富 淳子
1
1(財)杉並区さんあい公社
pp.913-916
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901870
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要約
痴呆性老人と家族,援助者が交わる生活の場にいて,そこから学んだり,感じたりしたことをもとにまとめました。
保健婦の役割は個への支援――の人にどのような支援が必要であるかを把握し,それを満たす援助を確保したり,それらを統合し,調和をはかる働き――とその積み重ねによって人々の痴呆症に対する理解を深め,無関心や偏見を拓いていくことにあると思っています。痴呆の人が安心して住み慣れた地域で住み続けることができるためにはいろいろな社会的支援が用意されなければなりませんが,施策は机上で生み出されるものではなく,痴呆の人との実際の関わりの中から抽出されたニーズによって組み立てられなければならないと思います。この役割を果すためには保健婦は自らの感性を磨き,生活体験を豊かにする必要があります。
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